今は昔・・・

three-gremlins2004-05-02

いまはむかし、横浜にマンションがあり。ある水無月の朝、ひとりの男が会社に行こうと、
エレベーターを使わずに非常階段で下りようと考え、重い扉を開けたとき、ミーミー泣く小さき猫を見つけにけり。

・・・と、まあ、かなりアヤシゲな日本語で始まりましたが、その後男は、妻を呼び、自宅に連れて行った・・・というわけです。
そのマンションは毎年春になると猫を捨てに来る人がいます。たまにそのまま成長できる猫もいますが、たいていは管理人に見つかって、保健所行きになってしまっていました。
その日の朝、発見された子猫は、最近捨てられて、前日(?)にマンションに住むお子様方にいいように遊ばれた挙句、非常階段に閉じ込められていたようで、朝からお疲れモード。トイレのしつけもちゃんとされていた、生後3〜4ヶ月の子猫は、「捨てられる」ことがとても怖いらしく、とても寂しがりやの甘えっこでした。

すったもんだの末(マンションは犬猫の飼育禁止だったし)、その家の家ネコとして飼うことになりました。その家の長女は、最初そのネコに愛らしい名前をつけたのですが、母が一向にその名前を覚えず、勝手に別の名前を呼び始めました。

曰く、「太郎」と。