優しい時間

three-gremlins2005-04-24

里親を探しているご家庭のひとつに、私が利用させていただいているお弁当屋さん(2004.4.22.のTopics「みんなメロメロv」をご参照!!)の親戚のお宅があります。この春、可愛いチビが4匹生まれたそうです。

ところが、この出産には素敵で、ちょっぴり悲しいストーリーがありました・・・・。

この子たちの母親は、数ヶ月前に瀕死の状態を拾われた野良ちゃんで、獣医さんに連れていったところ「すでに注射を打つ体力もないくらい弱っていて、もうすぐに亡くなるでしょう。拾われた縁なので最後は屋根のあるところで静かに逝かせてあげてください・・・」と言われてしまったそうです。

ところが・・・・! お家に連れ帰り、静かな心地良い場所に寝かせてあげているうちに見事に回復。すっかり元気になって「良かった、良かった」と喜んでいたら、いつの間にやら御懐妊。そして、元気な4匹の子供を生んだのでした。一時は生死の間をさ迷ったこの子が立派に赤ちゃんを産んだというので、家族も大喜び。

急に増えた新しい家族たちに嬉しがったり、さて貰い手も探さなければね〜、と心配したり、家中がまるでローズクォーツのピンクに包まれたような幸福感で満たされていました。そして、小さな命たちにミルクをあげる彼女を見守る度に、みんなの顔に優しい微笑みが浮かんだのです。

しかし・・・・! その後に悲しいことが起こったのです。

子供たちがミルクを必要としなくなり、里子にだしても大丈夫という頃をまるで見計らったかのように、安心した母猫は今度こそ静かに、静かに息を引き取ったそうです。
死の直前に拾われて命を吹き返したお礼なのか、それとも助かった命を子供たちにを引き継ぐことで生命の尊さを教えるためだったのでしょうか? 母という本能で果たした彼女の出産に敬意と感謝を捧げたいです。

今写真はありませんが、もしこの子たちを引き取って、責任をもって育ててくださる方がいらっしゃれば、Tianまでご連絡ください。



同じ日にお客様から伺ったネコのお話も、素敵だったのでご紹介しますね。

彼女が当時飼っていた愛犬が、ガンの末期で病院に入院していた時のことだそうです。彼女は診察室の裏にある入院室で、死出の旅路へ赴こうとしている愛犬と対面しました。ガンが様々な部位に転移し、全身が倍にも膨れ上がり苦しそうに息をしている愛犬の姿を見ると、その痛々しさと、もうすぐ来る別れのつらさで涙が止まらなくなったそうです。次から次に溢れてくる涙なんて気にも留めず、愛犬に声をかけてやっていると誰かが彼女の肩をトン、トンとたたきました。先生か助手の人でしょうが、今はそれどころでないし、グシャ・グシャの顔も見られたくなかったので無視していました。

すると、またしてもトン、トン! 無視しよう、無視・・・・。
トン ! トンッ!!

うるさーいっ ! 一体なんなんですか〜!? と振り向くと、目に入ったのは先生の顔でも助手の人の顔でもなく、ケージに入った三毛猫ちゃんだっだのです。

「はぁ〜っ?????」

「だいじょうぶ? ワンちゃんは、だいじょうぶだよ、そんなに泣かないで。」とでも言いたげな顔で彼女を見つめる三毛ちゃん。どうやらワンワン泣いて悲しんでいる彼女を見て慰めてくれたみたいです。

ネコって、人間の感情にとっても敏感ですよね。こちらがネコのこと以外で怒っている時、自分ではその怒りを表していないつもりなのに絶対に近寄ってこないし、気配も隠している。(実は、表していないつもりなのは、私だけ?)うちでは、私が泣いているとサルサが「だいじょうぶ?」と心配してくれます。泣くといっても悲しい理由で泣くのでなく、音楽や写真などを聴いたり見ているうちに蘇る過去生の記憶で懐かしくて泣いたりするので、「しっかりしろよ〜、もう〜っ」って感じなのか、な?

(written by @オーナー@)