太郎 隙間を見つける

three-gremlins2005-05-27

主な登場人物

太郎:ご存知@oku@の家の猫。
小姉ちゃん:@oku@の妹。結婚して家を出ています。
テレビの人:小姉ちゃんの夫。@oku@の義理の弟。
大姉ちゃん:@oku@
*@oku@の義弟を「テレビの人」ってちょっと可哀想かなー?と思ったけれど(いい奴なんですよ!)、太郎にとって義弟って、どんな存在〜?と思うと、妹が世話している(ご飯とか用意している)から妹より格上で、母や私には丁寧に接してくれているからこの2人よりは格下で〜、我が家に来るとご飯を食べるか、家人は全く利用していないケーブルテレビを見ながら太郎をなでなでしているから、太郎にとっては、「小姉ちゃんより格上の人」か「ご飯を食べに来る人」か「テレビを見ながらなでなでする人」かなー?と。
で、略して「テレビの人」(笑)。


時は昨年の秋の話。
太郎は、家族みんなが知っているあることを、この日まで知らなかった。

その日は、母も大姉ちゃんも仕事の為に帰りが遅かった。
こーゆー日は、あらかじめ小姉ちゃんは2人に「太郎を頼むね」と言われているので、夕方仕事から帰ってくると、我が家に来て太郎に餌を与え、ちょっと遊んでやってから自宅へ帰ってくれている。

だからいつもどおり、小姉ちゃんは太郎に餌を与える。そしてふと、空気を入れ替えしようと思いちょっと窓を開けた。
1時間ちょっと、小姉ちゃんは太郎と遊んだりいろいろしたあと、テレビの人が帰宅するのにあわせて、「太郎、バイバイ」と帰っていった。

残される太郎。
しーんと、静まり返った室内。
なぜか、この猫、猫のクセに暗いのが苦手だったりするので(笑)、室内は無人なのにも関わらず、電気はつけてもらっている。

しばらくの間、太郎は一匹で部屋にいたらしい。
餌を食べて満足して寝ていたのかもしれない。
だけど、和室の窓からスースーと外気が通っていることに気がついた。

太郎はきっと、クンクンと外の匂いを嗅ごうと窓に近づいたのだろう。
そして・・・・

太郎:・・・(あっれ〜?)。

窓が空いていること自体は珍しくはない。
だけど・・・・網戸が、ない。
いつもはそこに網戸があるはずなのに、ない。

夜のベランダに、太郎は出てみる。
いつもは、家族の誰かが側にいて、リードをつけてもらってからではないと外に出ることができない太郎。
若い頃は縄抜けしたり、家族の目を盗んで素早くリードをつけずに外へ出たこともあったけれど、ここ数年はそんなこともなかった。

ベランダは太郎にとってはテリトリーだけど、リードをつけてから出る場所だということを、もう十分わかりきっている。
それなのに、誰もいなくて、何にもつけていない・・・
ちょっとドキドキ・・・
(注:ちなみに、@oku@の家はマンションの角部屋です。)

太郎はベランダをさくさく歩くタイプではないから、きっとゆっくりと、夜の草木を眺め、匂いを嗅ぎながら歩いたのだと思う。

すこーしずつ、すこーしずつ、和室の窓から離れ・・・
すこーしずつ、すこーしずつ、いつも「あんまりそっちに言っちゃダメ!」といわれている方へ近づいていく・・・そして、発見。

隣のお家へ通じる隙間がそこにあったのでした。(つづく)
(written by @oku@)